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スイカ割り
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watermelon split
2024-08-23 00:05:00
対象年齢：R-18
デイリー入賞： 39 位
参加お題：スイカ割り
「スイカの秘術と鍛鉄の力: 結ばれしオリンピアン」
「おい、ケイラ。お前、ちゃんと目を閉じてるのか？」
ドワーフのグラッグが眉をひそめ、腕を組んでエルフの相棒に問いかけた。彼の目の前にいるのは、スイカ割り混合ダブルスのエルフ代表、ケイラ・ウォーターメロン。その名の通り、スイカにかける情熱は並大抵ではない。しかし、彼女は目隠しをしているはずなのに、どこか薄目で覗いているように見える。
「大丈夫よ、グラッグ。恋と一緒だな、目を閉じるのは信じることだよ」
ケイラは笑いながら、何とも適当なことを言い放つ。
「…信じるか。冗談、顔だけにしろよ」
グラッグはため息をつきながら、いつものようにツッコミを入れる。
だが、試合が始まれば二人の息は驚くほどピッタリだ。エルフのケイラは軽やかなステップでコートを舞い、グラッグの投げるスイカ割り棒を華麗にキャッチ。そして、そのまま見事な一撃を繰り出す。グラッグの力強いスイカ割り棒投げと、ケイラの卓越した技術が融合し、彼らは次々と他国のペアを打ち破っていく。
決勝まで進んだ彼らの前に立ちはだかるのは、強国ガルシアの王子と女騎士ペア。王子は冷静沈着な戦術家で、女騎士は鉄壁のディフェンスを誇る。
決勝戦の舞台は、スイカ割り競技において世界中で注目を集めるオリンピックの大舞台。観客席は満員で、世界各国から集まったファンたちが興奮の中で声援を送っている。ガルシア王国の王子と女騎士ペアが、すでにコートの反対側に立っている。王子は冷静な表情でケイラとグラッグを見据え、女騎士は剣の代わりに持つスイカ割り棒をしっかりと握り締めている。
彼らとの試合は、一瞬たりとも目が離せない白熱の展開となった。
「ケイラ、あいつらのコンビネーションには気をつけろよ。あの王子、ただのぼんぼんじゃない」
グラッグが低い声で忠告する。普段は無駄口を叩くケイラだが、この時ばかりは真剣な眼差しで相手チームを見つめている。
「わかってるよ、グラッグ。でも、恋と一緒だな、私たちが信じれば絶対勝てるから」
ケイラはそう言って、いつものように自信満々に笑ってみせる。グラッグは小さくうなずき、二人は試合開始の合図を待った。
審判がホイッスルを吹き、決勝戦が始まる。最初の攻撃はガルシアのペア。王子は冷静にケイラの動きを読み、スイカ割り棒を女騎士に渡すと同時に、彼女を誘導する。女騎士はその指示に従い、力強く一歩を踏み出す。彼女の目の前にはスイカが置かれ、まるで戦場の敵を見るかのように、鋭い眼光でそれを見据える。
「グラッグ、あの動きは…！」
ケイラが警戒を強めるが、グラッグはすでに動き始めていた。
「任せろ、ケイラ！」
グラッグは驚異的な速さで前に出て、女騎士が振り下ろすスイカ割り棒を寸前で受け止めた。二人の棒がぶつかり合い、激しい音がコートに響き渡る。
「冗談、顔だけにしろよ！」
グラッグは笑いながら、女騎士のパワーに負けじと棒を押し返す。だが、次の瞬間、王子が素早くスイカに近づき、別の棒で側面から攻撃を仕掛けた。
「ケイラ！」
グラッグが叫ぶと同時に、ケイラは風のような速さで王子の動きを読み、彼の棒を空振りさせるように軽やかに身をひねる。
「甘いよ、王子様！」
ケイラは声をあげ、すかさずカウンター攻撃を仕掛ける。彼女はスイカ割り棒を片手で回しながら、一瞬でスイカの位置を正確に捉え、棒を振り下ろした。しかし、その瞬間、女騎士が再び前に出て、ケイラの一撃を防ぐ。
「なかなかやるじゃないか…！」
ケイラは息を切らしながらも笑みを浮かべる。ガルシアのペアもまた息が合っており、試合は一進一退の攻防が続く。
数分が経ち、両チームの体力も限界に近づいていた。観客席からは次第に大きな声援が響き、勝利を掴むための最後の瞬間が迫っていた。
「これで決める！」
ケイラとグラッグは無言のまま目を合わせた。そして、グラッグが力強くスイカ割り棒をケイラに向けて投げる。ケイラはそれを受け取り、目を閉じて一瞬集中する。彼女は心の中で、グラッグとの絆と、今までの苦しい練習の日々を思い出す。
「恋と一緒だな、信じるんだ！」
ケイラは心の中でそう叫びながら、スイカ割り棒を振り下ろす。その瞬間、スイカは見事に二つに割れ、完璧な一撃が決まった。
観客席からは大歓声が巻き起こり、ガルシアの王子と女騎士は驚愕の表情で立ち尽くす。試合が終了し、ケイラとグラッグは息をつき、ようやく二人の努力が報われた瞬間を感じる。
「やったな、ケイラ…」
グラッグは少し照れくさそうに言うが、ケイラはにっこりと笑い返す。
「うん、私たち…いいチームだよね」
ケイラのその言葉に、二人は自然と笑みを浮かべた。
澄み渡る青空の下、勝利の瞬間はまるで時が止まったかのように永遠に続くかのごとく感じられた。白い雲は静かに流れ、空の高みに舞い上がる風が、試合の熱気を冷ますように優しく吹き抜ける。グラッグの鍛え上げられた腕は、まるで大地を支える岩の如く強く、ケイラの繊細な手の動きは、まるで風に揺れる一片の花弁のように軽やかであった。その対照的な二人の存在が、まさに自然の調和を象徴するかのように、絶妙なバランスで結ばれていた。オリンピックの会場に満ちた熱気と歓声は、次第に遠ざかり、ただ青空に吸い込まれていく。やがて、空にはただ、二人の絆を祝福するかのごとく、太陽が優しく微笑んでいた。
あとがき
ルールが解りません。
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Thank you for your nice comment. I'm getting busy and cutting back on my activities. I'm sorry if I couldn't reply.
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