うちの子
2024-08-26 00:01:00
対象年齢：R-18
デイリー入賞： 23 位
参加お題：うちの子
「追憶の幻影と、曖昧なる境界」
「恋と一緒だな、つちのこ探しってやつは！」エルフの女戦士、**スナオ**が目を輝かせながら言った。彼女は金髪のポニーテールを揺らしながら、森の奥へと足を踏み入れていった。スナオは、その名前の通り、素直で正直だが、少々天然でわがままな性格である。彼女の探検隊は、つちのこの目撃情報を聞きつけて、今回の探検に乗り出していた。
「つちのこって、本当にいるのかなぁ？」と、隊員の一人、ドワーフの**ガンロフ**がぼやくように言った。彼はスナオとは仲が悪いが、何故か一緒に行動することが多い。
「いるさ、伝説の中で生き続けているんだからな！」スナオは自信満々に答えた。彼女は伝説や噂話に目がなく、つちのこの話を聞いた瞬間に、探検隊を結成したのだった。
「伝説と言えば、つちのこってどんな生き物なんだ？」別の隊員、エルフの**エルフィン**が興味津々に尋ねた。
「つちのこは、太く短い体と蛇のような姿を持つ幻の生き物だと言われているわ。日本の山奥で目撃情報が絶えないけど、誰も捕まえたことがないって話よ。まさに恋と一緒ね、掴もうとしても掴めないの。」スナオは得意げに解説した。
「恋と一緒だなんて、よく言うよな。」ガンロフが苦笑しながら呟く。
「でもさ、本当にそんな生き物が存在するのか？」エルフィンが疑わしげに首を傾げる。
「冗談、顔だけにしろよ、エルフィン。目撃情報があるんだ、信じなきゃ探しに来た意味がないだろう。」ガンロフが冷静に突っ込んだ。
「そうよ、ガンロフの言う通り。信じる者こそ救われるって言うでしょ？」スナオは意気揚々と続けた。
探検隊は森の奥深くへと進んでいった。スナオは終始リーダーシップを発揮し、みんなを鼓舞しながら歩き続けた。しかし、時間が経つにつれて、隊員たちの間には不安と疲労が広がり始めた。
「本当に見つかるのかな…」エルフィンがぼそっと呟いた。
その時、スナオが突然立ち止まった。「みんな、静かに…聞こえる？」
隊員たちは耳を澄ませた。かすかな音がどこからか聞こえてくる。それは、確かに何かが動いている音だった。
「つちのこだ！」スナオが叫んで、音のする方へ走り出した。隊員たちも慌てて後を追った。
森の奥深くにある小さな洞窟に辿り着いた時、彼らはそこで何かが蠢いているのを目撃した。スナオは一気に近づいて、それを捕まえようとした。
「よし、捕まえた！」スナオが勝ち誇ったように叫んだ。
しかし、隊員たちが覗き込むと、それは何と…エルフィンが飼っているペットの子犬だった。
「…え？これ、つちのこじゃなくて、うちの子じゃないか？」エルフィンが驚愕して指摘した。
スナオはしばらく目を丸くしていたが、次の瞬間に笑い出した。「あはは、やっぱり恋と一緒だな、つちのこ探しって！」
ガンロフがため息をつきながら、「冗談、顔だけにしろよ。」と呟く。
探検隊は肩をすくめながらも、結局は笑い合い、森を後にした。
夜空には、無数の星々が瞬いていた。風は穏やかに木々を揺らし、雲は静かに流れていく。森の闇が、静寂と共に世界を包み込み、探検の疲れを癒やすかのように、彼らの心を安らげていた。空高く、月が輝き、その光が彼らの道を照らす。大いなる自然の中で、無数の小さな物語が交錯し、一つの旅が終わりを迎えた。しかし、その旅の思い出は、まるで流れ星のように、心の中に永遠に輝き続けることでしょう。
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Thank you for your nice comment. I'm getting busy and cutting back on my activities. I'm sorry if I couldn't reply.
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