※この話は、こちらのエピソードの前日譚になります。
【白い息】瑞葵ちゃん風邪を引く
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時は遡り、バレンタインデー当日。
「ちょっと瑞葵、お風呂あがったんなら声かけてよ・・・って、あんた何してるの?」
私が妹の瑞葵の部屋を訪ねると、なんか全裸で体にチョコ塗りたくってる瑞葵の姿。エロ方面に頭のネジ飛び過ぎてついに奇行に走り始めたか。
「あ、おねーちゃん。見ての通り、バレンタインデーに凪さんに贈る写真を自撮りしようと思って」
何が見ての通りだ。聞いても意味分からんかったわ。・・・ていうか、これは早渚さん怒るだろうな。瑞葵、ノリノリで色んなポーズとってるけど、今のうちに止めるか。
「瑞葵、残念なお知らせだけどね。早渚さん、女体盛り嫌いだよ。すっごい厳しい口調で叱って来るから」
「えっ、どういう事!?おねーちゃん何でそんな事知って・・・ハッ!ま、まさか私より先に凪さんにチョコ女体盛りを見せたんじゃ!」
「そんなもん見せるかぁ!」
彼氏でもない男の人にそんな写真送る訳ねーだろ!ていうかたとえ彼氏にでもやらんわ!
「弥美ちゃんがね。クリスマスに先駆けてクリスマス会をやった時に身体に生クリーム盛ろうとしたんだよ。で、それを見つけた早渚さんが『食べ物をそんな不衛生な扱いするのは許さない』って言って止めたんだって」
「そうなんだ・・・」
「多分ね、早渚さんって撮影のために紛争地域とかにも行ってるからじゃない?食べ物とかに困ってる人の様子を目の当たりにしてるから、女体盛りとかふざけんなって感覚なのかも」
「一応お風呂で念入りに体洗って来たんだけどな・・・」
瑞葵の奴、楽しみに胸を高鳴らせながらお風呂入ってたんだろうな。目に浮かぶわ。まったく、こんな子に好かれて早渚さんも苦労するよね。
「とりあえず、そのチョコは責任持ってあんたが食べなさい。捨てたりしたら早渚さんに言いつけるからね。めっちゃ嫌われるよ、ご愁傷様」
「まだ捨ててないじゃん!もう、おねーちゃんったら。でもありがとう。凪さんに送る写真撮る前で良かったー」
自分の体に塗っていたチョコを掬い取ってぺろぺろする瑞葵。・・・食べなさいとは言ったけど、ホントに躊躇なく食べ始めちゃったな。まあ自分の体から取ってるものだからいいだろうけど。
「?なぁに、おねーちゃんも舐めたい?」
「絶対やだ。何が悲しくてチョコまみれの妹ぺろぺろしなきゃなんないのよ。ていうかあんた、もう一回お風呂入る?」
「ん~・・・いいや。チョコつけただけだし」
やれやれ、ホント私の前だと女子力低いんだから。まあいい、私もさっさとお風呂入ろう。
・・・ちなみにこの後、お風呂あがってから長時間全裸だった事が祟ったのか、瑞葵はまんまと風邪ひいて高熱を出す羽目になってた。おかげで早渚さんへのバレンタインチョコは渡しそびれたらしい。まあ、早渚さんが看病に来てくれていちゃいちゃしてたみたいだから、本人的にはそんなにマイナスじゃないんだろうけど。
写真撮影のため風邪をひく、ある意味本当に体を張っています
瑞葵「結局写真も撮れずチョコも用意できずだったんですよね。来年頑張ろうと思います」
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