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2025-04-13 08:30:00
対象年齢：全年齢
参加お題：パステルカラー
雪の光が冷たく頬をなぞる、冬の昼下がり。
白銀の森を背に、少女はひとり立っていた。
瞳はまっすぐこちらを見つめている。
けれど、その青はどこか戸惑いを湛え、頬はほんのりと朱に染まっていた。
彼女は言葉を紡がない。
その代わり、黒い手袋をはめた指先が小さく震えながら、口元へとそっと寄せられる。
まるで、何かを言いたくて、でも言えなくて。
その指で、心を隠そうとしているかのように――。
「わたくし、……知られてはいけないのです。」
風が運んだのは、掠れるような独白だった。
誰かに向けた言葉ではなく、自らに言い聞かせるような、決意とも諦めともつかぬ響き。
彼女の胸元には、赤いリボンと十字のブローチ。
それは、旧き誓いを意味する印。
誰にも明かせぬ使命を抱え、今日まで生きてきた証。
「でも、ほんの一瞬だけ……いいでしょう？」
そう言って、彼女は小さく微笑んだ。
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