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我らエルフ軍ネコミミ隊!~その耳のワケ、教えちゃる~

2025-08-13 01:10:00

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13

対象年齢:全年齢

参加お題:ネコミミ
静寂が支配するはずの〈惑わずの森〉に、不釣り合いなほど賑やかな声が響いていた。 「だからさー、ドワーフの作る干し肉って、なんであんなにカッチカチなわけ? アゴが鍛えられるとかいうレベルじゃないよ。もはや武器じゃん。鈍器だよ、鈍器」 「うるせえ! 伝統の製法だ! 貴様らエルフの食うフワフワしたパンこそ、噛みごたえがなくて腹の足しにならんわ!」 銀色の長髪を風になびかせ、頭のてっぺんからピンと立った愛らしいネコミミを揺らすエルフの女戦士、フェリシア・リンベル。その隣で、見上げるような大木にも負けないほど頑健な体躯のドワーフ、ボルガ・アイアンハンマーが太い眉を吊り上げて怒鳴り返す。二人はエルフ軍とドワーフ王国が共同で編成した特別遊撃隊の隊員だが、その仲の悪さは部隊の名物だった。 そんな二人の後ろを、緊張した面持ちでついてくる新兵のエルフ、リオンがおずおずと口を開いた。 「あ、あの、フェリシア先輩…」 「ん? なあに、リオン君。もしかして私の美しさに見とれちゃった?」 「い、いえ、そういうわけでは…! その、先輩のそのお耳のことなんですけど…。僕、エルフ軍に入隊するまで、生まれつき猫の耳を持つエルフの方がいらっしゃるなんて、知りませんでした。どうして、その…」 リオンの視線は、フェリシアの頭でぴこぴこと動く耳に向けられていた。その純粋な疑問に、フェリシアは待ってましたとばかりに目を輝かせた。 「ああ、それね! よくぞ聞いてくれました! これはね、我らネコミミエルフの、血と涙と、あとちょっとの気の迷いが織りなした、壮大なる進化の物語なんだよ!」 「やめとけ、新兵。聞くだけ無駄だ。こいつの与太話に付き合うと、日が暮れてオークの晩飯にされちまうぞ」 ボルガが吐き捨てるように言ったが、フェリシアは完全に無視して、語り部のスイッチを入れた。 「――それは、神話の時代にまで遡る、深遠なる物語…」 フェリシアはわざとらしく咳払いを一つすると、大仰な身振り手振りで語り始めた。 「太古の昔、我らエルフの祖先は深刻な問題に直面していた。そう、それはストレス社会の到来だ!」 「はあ…」 「森の精霊は気まぐれだし、ドリアードは恋愛相談ばっかりしてくるし、ユニコーンは純潔の乙女しか乗せないとかいうセクハラまがいの主張を繰り返す。そんなギスギスした日常に、古代エルフたちの心は限界だったんだ」 「なんだそのしょうもない理由は…」 ボルガの呆れた声は、フェリ-シアの耳には届かない。 「そこで我らの祖先が心の癒しとしていたのが、幻の霊草『ニャルヴァーナの草』さ。これを煎じて飲むと、まるで日当たりの良い場所で昼寝する猫のように、多幸感に包まれるという秘薬だったんだよ」 「それ、ただのマタタビじゃねえか?」 「違うね! ニャルヴァーナの草だよ! しかし、その乱獲がたたって、草は絶滅の危機に瀕してしまった。癒しを失ったエルフ社会は崩壊寸前! そこで、当時の賢者たちが集まって、緊急会議を開いたんだ」 フェリシアは、木の枝を杖代わりに、賢者たちのモノマネを始めた。 「賢者ミケールが言った。『もはや草に頼る時代は終わった! 我ら自身が、体内でニャルヴァーナ成分を生成できるように進化するべきなのだ!』と!」 「賢者タマゴロウも頷いた。『さよう! 自家発電、いや、自家生成こそが我らの進むべき道!』と!」 「待て待て待て! なんで進化の方向性がそっちに行くんだよ! もっとこう、ストレスに強い精神を養うとか、別の癒しを見つけるとか、選択肢はなかったのか!?」 ボルガがたまらずツッコミを入れるが、リオンは「な、なるほど…! 発想の転換ですね…!」と真剣な顔で感心している。 「そして、来る満月の夜。古代エルフたちは森の広場に巨大な魔法陣を描き、一斉に祈りを捧げたんだ。『我に癒しを…! 我に多幸感を…!』ってね。何世代にもわたって、その儀式は続けられた。ゴロゴロと喉を鳴らし、全身で癒しを渇望する祈りを捧げ続けたのさ」 「気持ち悪い儀式だな、おい!」 「そして、数百年の時を経たある朝、ついに進化は成し遂げられた! あるエルフの赤子の頭に、とんがり耳の代わりに、フサフサの愛らしい耳が生えていたんだ!」 フェリシアは、自分のネコミミを指さしてドヤ顔をした。 「でも、問題があった。ニャルヴァーナ成分を生成する能力は、なぜか身につかなかったんだ。代わりに、森のオオヤマネコと同じ、超高性能な聴覚を手に入れてしまった!」 「結果が全然違うじゃねえか! 目的と手段が壮大にねじくれてるぞ!」 ボルガの絶叫が森にこだまする。 「最初はみんなガッカリしたよ。『なんで耳だけなんだ』って。でも、この耳が敵の奇襲を何キロも先から察知できるって分かって、話は変わった。軍事的に超有用!ってことで、私らネコミミを持つエルフは精鋭部隊『ネコミミ隊』として編成されることになったのさ。めでたしめでたし!」 語り終えたフェリシアは、満足げに腕を組んだ。リオンは目をキラキラさせて拍手している。 「す、すごい…! そんな崇高な歴史があったなんて…!」 「ああ、すごいアホの歴史だ…」 こめかみを押さえるボルガが、心底疲れた声で言った。 「冗談、顔だけにしろよ」 フェリシアはフンと鼻を鳴らすと、キラリと目を光らせてリオンにウィンクした。 「進化ってのは、いつだって予想外の結果をもたらすんだよ。恋と一緒だな」 「うまいこと言ったみたいな顔するな!」 その瞬間、フェリシアのネコミミがピクリと鋭く動いた。彼女の表情から、それまでのふざけた空気が一瞬で消え去る。 「…静かに。敵だ」 低い声に、ボルガとリオンも即座に戦闘態勢に入る。 「3時の方向、距離およそ400。ゴブリンが3匹。その奥、さらに2匹が待ち伏せ。足音からして、リーダー格は金属鎧を着てる。重さは…そうだな、ドワーフ製の安物ってとこか」 「俺たちの製品を安物呼ばわりするな! …だが、その耳の性能だけは信用してやる」 ボルガは巨大な戦斧を構え、フェリシアは背中の優美な剣に手をかけた。さっきまでのポンコツな語り部が嘘のような、歴戦の戦士の顔だった。 「リオンは援護! ボルガは正面から叩き潰して! 私は背後に回る!」 「言われずとも!」 「は、はい!」 三人は、闇に溶け込むように森の奥へと駆け出していった。 やがて戦いを終えた一行が丘の上に立った時、夜の闇は東の空からゆっくりと後退を始めていました。 瑠璃色のインクを溶かしたような夜空のキャンバスに、白金の絵の具が一筋、滲むように広がっていきます。それはやがて、真珠色の光の帯となり、眠り続ける大地に最初の挨拶を投げかけるのでした。彼女たちの頭上では、最後の輝きを放つ星々が、まるで舞台の終わりを惜しむ役者のように瞬き、そして静かに天蓋の裏側へと姿を消していきます。冷たく澄んだ夜明け前の風が、戦士たちの火照った頬を優しく撫で、勝利の後の静寂を運んでくるかのようでした。それは、長い夜の終わりと、新しい一日の始まりを告げる、荘厳な夜明けのプレリュードなのです。

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Epimētheus
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コメント

投稿
五月雨

2025-08-13 22:45:55
返信
ガボドゲ

2025-08-13 13:09:28
返信
謎ピカ

2025-08-13 08:54:28
返信

1238投稿

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Thank you for your nice comment. I'm getting busy and cutting back on my activities. I'm sorry if I couldn't reply.

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