チェルキーの料理教室:美食神の食卓
2025-12-05 21:55:04
対象年齢:全年齢
参加お題:シュトーレン
魔導スチームの駆動音が心地よく響くキッチンで、ドワーフの美食の神官戦士にして料理人、チェルキーは鎧を脱ぎ、代わりにフリル付きのメイド風エプロンドレスを身に着けていた。
重武装の戦士から、一転して可憐な料理人へと変貌する瞬間だ。
彼女の緑のポニーテールが揺れる。
隣にはダークエルフのアーゼリンが、魔法の泡立て器を手に手伝っている。
壱の皿:美食神に捧ぐカツ丼
「よし、あとは仕上げだよ!」
チェルキーの目は真剣だ。まな板の上に並んだ分厚いカツは、ドワーフの豪快な技術で完璧に揚がっている。
彼女が視線を送ると、空中を浮遊する真鍮製の魔法鍋が、煮詰めた秘伝の出汁と溶き卵の餡を、一つ目のどんぶり(ごはんの上にカツが鎮座している)へと自動で注ぎ始めた。
じゅわっ、という音と共に香ばしい香りが立ち上る。
「さすが賢者の学院のマギックキッチン!この自動溶き卵機能、最高だね!」
チェルキーの明るい笑みがキッチンに弾けた。
これぞ、美食神のプリーストが作る、魔法と技、洋と東が融合した最高のカツ丼だ。
弐の皿:虹色鱗の刺身舞踏
次にチェルキーが取り出したのは、七色の鱗を持つ巨大な鯛のような魚。
「エラゴンの海でしか捕れない『レインボー・スナッパー』。鮮度が命だからね!」
カツ丼の時とは一変、集中力は極限に達している。彼女の握る魔導包丁の刃が閃き、三枚におろされた魚のサクは、まるで水が流れるかのように、見事な薄切りとなっていく。
流れるような手つきで盛り付けられた刺身は、異世界の石器を模したかのような、しかし東方の美意識にも通じる見事な皿の上に。七色の光を放つ切り身、横には透き通った別の魚の刺身も添えられ、その完璧な職人芸は見る者を圧倒した。
参の皿:聖夜の仕込み、シュトーレン
食事の準備が一息つくと、チェルキーは焼き菓子の準備に取り掛かった。
台の上には、異世界のドライフルーツやナッツが山積みになっている。
彼女は丁寧に生地をこね、たっぷりのバターとスパイスを練り込んでいく。
「シュトーレンは、寝かせる時間が大事だよ。魔法でも時間だけは早送りできないからね」
アーゼリンが微笑みながら、発酵を促す補助魔法を遠隔でかけている。
この時ばかりは、チェルキーの表情もいくらか落ち着き、職人としての静かな誇りが感じられた。
終章:喜びの配膳と賄い
全てが整った。カツ丼、色鮮やかな刺身の盛り合わせ、そしてパンやスープ、付け合わせの料理が一堂に会する。
「お待たせ!今日の女神の食卓だよ!」
チェルキーは、その小さな体躯からは想像もつかないほどの料理を一気にトレイに乗せ、食堂へと入っていく。彼女の満面の笑顔と、湯気を立てるカツ丼が画面いっぱいに広がる。
食後、彼女は鎧に戻る前に、テーブルの隅に座った。
「ふぅ、賄いだよ。お客さんにいただいた『宝石のように輝く魔法のゼリー・パフェ』…自腹じゃなくて本当に良かった」
チェルキーは、スプーンで輝くゼリーをすくい、口元へ運ぶ。その顔は、戦闘で勝利した時よりも、はるかに幸せそうだ。
美少女ドワーフ、チェルキー。彼女の力は武器と鎧だけでなく、その料理にも宿っているのだ。
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賄い付きは嬉しいです
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