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ブロント少尉の入学式 ～新たなる試練の幕開け～
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ブロント少尉の入学式 ～新たなる試練の幕開け～
2025-04-04 02:57:02
対象年齢：全年齢
デイリー入賞： 3 位
ウィークリー入賞： 33 位
参加お題：入学式
士官学校の入学式は、例年通りの格式ばった流れで進んでいた。
大講堂の壇上では、校長が厳かに訓示を述べる。
「諸君は、本日をもって帝国士官学校の士官候補生となった。これは名誉であると同時に、大いなる責任を伴う。……云々」
候補生たちは、一応背筋を伸ばして聞いているが、正直なところ話は長い。
（……まじで眠い……）
（予想通りの長話……）
彼らの中には、立派な士官になろうと志高く入学した者もいれば、家の都合で無理やり入れられた者もいる。だが共通しているのは、式典が長すぎることへの苦痛だった。
ようやく校長の話が終わると、次に登壇したのは鬼軍曹と呼ばれる訓練教官。
「お前ら！ 今日から士官候補生だが、貴様らはまだクソ新兵と変わらん！ 生半可な覚悟でここに来たなら、今すぐ荷物をまとめて帰れ！」
鬼軍曹の怒号が講堂内に響き渡る。
士官候補生たちは一斉に背筋を伸ばした。
（これが帝国士官学校か……）
（さっきまで眠かったのに、一瞬で目が覚めた）
そして、いよいよ入学式も終盤。
最後に壇上へと上がったのは、一人の女性士官だった。
「……え？」
「なんか若くね？」
講堂のあちこちから、士官候補生たちのざわめきが漏れる。
壇上に立つのは、士官学校の中では 一番下っ端の教官 であるブロント少尉。
彼女は微笑みながら、ゆっくりと口を開いた。
「ようこそ、帝国士官学校へ。私はブロント少尉。本日より士官候補生の皆さんの教育を補助する立場となりました」
その口調は、優しく穏やかで、どこか 可愛らしさすら感じさせる ものだった。
（え、可愛い……？）
（あの教官、やけに若くねーか？）
（いや、年下じゃね……？）
一方で、経験豊富な士官候補生たちは、直感的に何かを察知する。
（……いや、なんか危ねー女じゃねーか？）
彼らのやり取りを見ていた富士見軍曹は、心の中で呟いた。
（その直感は大事にしないと、ここでは生き残れませんよ）
ブロント少尉は候補生たちの視線を感じつつも、気にする様子もなく淡々と話を続けた。
「今後の基本的な流れについて説明します。初日と二日目はオリエンテーション、三日目から本格的な訓練が始まります」
彼女の説明は、簡潔でわかりやすい。
だが候補生たちは、まだブロント少尉という存在を測りかねていた。
（可愛い系なのか……？ それとも鬼軍曹系なのか……？）
そんな彼らの疑問をよそに、入学式は無事終了した。
だが、これは あくまで公式の入学式 でしかなかった。
候補生たちが講堂を後にし、寮や施設の確認をしていると、校門の前で 異様な光景 を目にすることになる。
ブロント少尉が、巨大な布製の看板を両手に持ち、満面の笑みで立っていたのだ。
「歓迎！！ 新入生！！」
……その光景に、候補生たちは硬直する。
（え、なにやってんの……？）
（……もしかして、あの人、ちょっと抜けてる？）
「さぁ、士官候補生諸君！ 訓練はもう始まっているぞ！」
ブロント少尉の 眩しすぎる笑顔 を見た候補生たちは、この先の未来に不安を覚えた。
（やっぱり、この人……ヤバい気がする……）
その様子を遠目で見ていた富士見軍曹は、再び心の中で呟いた。
（ほら、だから言ったじゃないですか）
── こうして、帝国士官学校の新たな波乱の日々が幕を開けるのであった。
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コメント
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さすがだ😲
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なんて、真心のこもった歓迎なんでしょう！ さすがですわね！
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