閃光のミラージュ【蒼き女狐の賽は、静かに転がる】
2025-12-10 03:43:15
対象年齢：全年齢
デイリー入賞： 35 位
ウィークリー入賞： 103 位
参加お題：ダイスセット
深夜零時。
都会の裏通りにひっそりと佇む、会員制ナイトバー――
その自動ドアが静かに開き、
青いドレスの女が滑り込んだ。
劉妃。
肩から流れる白銀の髪は照明を受けて妖しく輝き、
深いスリットから覗く黒いストッキングは、
視線を奪い、心を乱す“罠”そのもの。
彼女がカウンター席に腰を下ろした瞬間、
店内の空気がわずかに揺れた。
まるでその存在だけで場の均衡が崩れるように。
グラスを傾け、琥珀色のウイスキーが唇を濡らす。
その仕草は、ただの客としての振る舞いに見えて――
実際は、ターゲットの視線と警戒心を誘導するための
巧妙な“演技”だ。
テーブルに置かれたのは、
彼女の指先で軽く転がされる 青いサイコロ。
「ねぇ、ひとつ賭けをしない？」
微笑むように、しかし目は笑わずに囁く劉妃。
その声は甘く、危険な香りがする。
彼女のサイコロに誘われた男は皆、
運命の糸を知らずに掴まされる。
勝負を挑めば挑むほど、
男たちは彼女の掌の上で転がされていった。
――彼女が、本物のエージェントとも知らずに。
今日の任務は、
“このバーで密かに動く組織の資金ルートを暴くこと”。
しかしそれを知る者は、劉妃ただ一人。
彼女はウイスキーを飲み干し、
細い指でサイコロを跳ね上げた。
「さあ……賽は投げられたわ。」
静かに転がるサイコロの音が、
闇夜の作戦開始を告げていた。
そして、青いドレスの女エージェントは今日も、
甘美な危険と共に敵の懐へと潜り込んでいく――。
※多分ダイスセットってネジ山修正する道具の事を指 していると思いますが、サイコロしか出てきません(汗
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