手作りカップケーキ試食の午後
2026-03-14 20:03:13
対象年齢:全年齢
参加お題:ホワイトデー
柔らかい午前の光が、下町礼拝所の給食室に差し込む。
今日は少し特別な日だ。普段、料理を任されることの多い仲間たちに、普段作らない人が「お返し」として手を動かす日――それだけで、空気にほんのりとした期待と、少しぎこちない緊張感が混ざる。
「さあ、作り始めるぞ! 母は、味や量や材料ではなく、子供が作ってくれた心を喜ぶのだ!!」
バルサムが大きく声を張る。筋骨隆々の体躯は豪快で、茶色と緑のマントが揺れる。悪人面だが、口元には少し楽しげな笑みが浮かんでいる。
銀髪のハーフエルフ、シルビアは材料を丁寧に混ぜる。理詰めで正確な手つきだが、普段の冷静さとは少し違い、初めて作るかのような緊張感が手先に伝わる。
アセリアは白い略装修道服の裾を押さえつつ、ぎこちなくも慎重にカップを並べる。小さな手には、普段の聖職者としての使命感と、手作りの初々しさが入り混じる。
緑髪のチェルキーは、出来上がったカップケーキを一口。普段作る側の人が楽しむ瞬間は、静かに喜びが広がる。
手前の学生は、提出したカップケーキを眺め、口元だけがわずかに動く。皮肉っぽくも、少し楽しんでいる――そんな含みのある笑みだ。前髪で目元は隠れ、視線は自然に周囲を観察しているように見える。
壁際では、黒髪のシャーリーが腕を組み、軽く壁にもたれかかりながら二人を見守る。普段の軽薄な笑みの奥に、鋭い視線が垣間見え、空気に少しだけ緊張を添えている。
給食室のテーブルの周りでは、他の学生やモブの料理人たちも、慣れない手つきでカップケーキを作り、提出したり試食したりする。普段作らない人たちの手による、少し不揃いで素朴なケーキ。香りと笑い声が入り混じり、ぎこちなさと楽しさが絶妙に混ざった時間が流れていた。
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