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シャーリーのインチキ講座:河童流戦闘術

2026-06-08 15:18:36

NovelAI

2026-06-08 15:18:36

NovelAI

41

対象年齢:全年齢

デイリー入賞: 134 位

参加お題:かっぱ
藍引島の森林渓谷地帯。 賢者の学院スカウト科の合宿が行われている渓流沿いの岩場で、学生たちが野外講義の開始を待っていた。 その前に立つのはスカウト科助教シャーリー・クラウン。 ただし、その姿は妙だった。 巨大な陣笠、背中の円盾、魚鱗風装甲、水紋模様の大袖。 どう見ても河童である。 本人以外には。 「ふひひひひ。」 シャーリーは胸を張った。 「本日の講義は東方水戦術――河童流ですぞ!」 学生たちが顔を見合わせる。 「河童?」 「東方の水戦兵ですか?」 異世界出身の学生たちは河童を知らない。 だから誰も否定できなかった。 少し離れた場所ではチェルキーが大鍋をかき混ぜている。 鍋の横には魚や野菜、そして何故か大量の胡瓜。 「安かった。」 理由はそれだけだった。 「さて。」 シャーリーは講義板を指した。 『河童の伸びる腕』 『河童の水中移動』 『皿の流体力学』 『水辺における奇襲戦術』 学生たちが真面目に頷く。 「まず有名なのが河童の伸びる腕ですな。」 「本当に伸びるんですか?」 「事実ですぞ。」 即答だった。 「河童は両腕を繋げたほどの距離を攻撃できると伝えられております。」 学生たちが感心する。 「すごいな。」 「水辺で会いたくない。」 シャーリーは満足そうに頷いた。 「では実演ですぞ。」 チェルキーが鍋から顔を上げる。 「また?」 「敵役をお願いしますぞ。」 「はいはい。」 チェルキーが立ち上がる。 シャーリーが構えた。 大袖が翻る。 ぶんっ。 何かが飛んだ。 学生たちには一瞬、腕が伸びたように見えた。 しかし。 ぱしっ。 チェルキーが片手で受け止める。 目も閉じない。 視線も動かない。 最初から最後までシャーリーだけを見ている。 その手に握られていたのは、鎖に繋がった鉄の分銅だった。 「おおっ!」 学生たちがどよめく。 「河童の伸びる腕ってそういうことか!」 「なるほど!」 シャーリーは得意げに頷いた。 「ふひひひひ。」 「伝承とは往々にして誇張されるもの。しかし、その原型には合理的な技術が隠されていることも多いのですぞ。」 意外と教師らしいことを言う。 チェルキーは鎖を掴んだまま首を傾げた。 「で?」 「ふひひひひ。」 シャーリーが笑う。 「掛かりましたな。」 「ん?」 次の瞬間。 ぐいっ。 「あ。」 引っ張られたのはシャーリーだった。 「ぬわーーーっ!?」 宙を舞う。 陣笠が傾き、黒髪が広がる。 そして。 どぼーーーん!! 巨大な水柱。 「先生ーーー!?」 学生たちが総立ちになる。 チェルキーは川を見た。 「だから正面からやる意味あるのかな。」 そのまま鍋へ戻る。 学生たちが川を見守る中―― どばぁぁぁぁぁっ!! 渓流が爆ぜた。 何かが飛び出す。 流れに乗り、岩陰を抜け、水しぶきを引きながら高速移動。 そしていつの間にか。 チェルキーの真後ろ。 びしょ濡れのシャーリーが立っていた。 学生たちが息を呑む。 「速っ!?」 「いつの間に!?」 「気配がなかった!」 チェルキーだけが鍋をかき混ぜながら言った。 「あ、戻った。」 シャーリーは得意満面で腕を広げる。 「ご覧なさい!」 びしっ。 「これこそ河童流水中奇襲術!」 今度は学生たちも感心した。 「なるほど。」 「確かに強い。」 「水辺なら厄介だ。」 シャーリーは満足そうに頷く。 「理解できましたかな?」 「うん。」 「おお!」 胸を張るシャーリー。 そしてチェルキーが続けた。 「最初からそれやれば良かったんじゃない?」 静寂。 学生たち。 「あ。」 シャーリー。 「あ。」 数秒後。 爆笑。 「確かに!」 「なんで正面から行ったんですか!」 「講義だからですぞ!」 苦しい言い訳だった。 その時。 一人の学生が川を見て固まる。 「……あれ?」 岩陰の向こう。 何かがいた気がした。 緑色の小柄な影。 頭の上には皿のようなもの。 「今、何かいたよな……?」 学生たちの視線が一斉に川へ向く。 シャーリーは満足そうに腕を組んだ。 「ふふふ。河童流の恐ろしさに戦慄しておりますな。」 「違います!」 全員が叫んだ。 チェルキーも川を見る。 「?」 首を傾げる。 「何もいないけど。」 もう何もいなかった。 学生たちは顔を見合わせる。 「見間違いかな……。」 「でもなぁ……。」 しばらく悩んだ末、一人が言った。 「チェルキー先生が言うなら見間違いかも。」 皆が頷く。 チェルキーはそういう冗談を言わない。 チェルキーは鍋へ戻った。 ふと胡瓜の山を見る。 「……?」 ほんの少しだけ首を傾げる。 何か違った気がした。 だが夕飯の準備の方が大事だった。 その横でシャーリーは胸を張る。 「ふひひひひ!」 「つまり私の理論は正しいのですぞ!」 学生たちは何とも言えない顔で拍手した。 渓流の風が木々を揺らす。 本当に何かいたのか。 見間違いだったのか。 それは誰にも分からない。 ただ一つ確かなのは―― 今日の河童流講義が、いつもより少しだけ本物らしかったことである。

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さかいきしお
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コメント

投稿
999fun

2026-06-14 01:31:55
返信
Ken@Novel_ai

2026-06-10 07:29:28
返信
ガボドゲ

2026-06-09 08:07:50
返信
gosakky

やはりシャーリー先生の太ももはまぶしいっっ。水も滴る…でも男の疑いがまだある;;(笑)

2026-06-09 03:00:27
返信
よ~みん

2026-06-09 00:58:36
返信
白雀(White sparrow)

『河童くん…もしかしてあのきゅうりはここから持ってきたとかじゃ無いよねチュン?』

2026-06-08 23:55:15
返信
thi

2026-06-08 22:54:02
返信
サントリナ

2026-06-08 22:10:55
返信
うろんうろん -uron uron-

2026-06-08 20:02:22
返信
tare_koala

2026-06-08 19:59:30
返信
翡翠よろず

2026-06-08 19:58:21
返信
ippei

2026-06-08 19:06:17
返信
しるばん

2026-06-08 18:48:33
返信
もみ

2026-06-08 18:10:53
返信
クマ×娘 D.W

プーちゃん:河童流すごいのですぅ~プーちゃんもやるですぅ🧸🥒 作者のクマさん:プーちゃんは、まず泳げるようにならないとね~🏊

2026-06-08 16:33:40
返信
kacky333

2026-06-08 16:17:06
返信
みやび

スモウパワーも身に着ければ水辺ではサイキョーじゃな!

2026-06-08 16:12:05
返信

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