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2 #9 生き残った兵士

2026-06-23 12:25:00

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2026-06-23 12:25:00

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18

対象年齢:全年齢

第三章 北方任務の残響 ――沈黙は、誰のために守られた かつて灰鴉団の名を初めて耳にした、北街道の宿場町。 エレナは再びその町を訪れ、今度は酒場ではなく、裏手の小さな鍛冶場へ足を向けた。 炉の火は静かに揺れ、低く響く槌の音だけが、雪の気配を忘れたように続いている。 無口な鍛冶屋は、ただの旅の騎士を見る目でエレナを迎えた。 しかし、差し出された剣を手に取った瞬間、その手が止まる。 槌を握ったまま、男は刃を見つめ、わずかに目を伏せた。 「……その剣、誰に教わった」 低い問いに、エレナは迷わず答える。 「兄です。リオネルという名の騎士でした」 鍛冶屋はすぐには言葉を返さなかった。 ただ、炉の火を見つめたまま、古い傷を思い出すように沈黙する。 やがて男は、自分が三年前の北方任務に同行していた元従士であることを明かした。 騎士ではなく、武具や馬具を預かる立場だったからこそ、戦いの後に残されたものを見てしまったのだという。 「あの任務は、事故なんかじゃない」 その一言だけで、鍛冶屋の顔には隠しきれない怯えが浮かんだ。 灰鴉団の名を口にしかけると、男は扉の外へ視線を向ける。 まるで今もなお、この町の沈黙を誰かが見張っているかのように。 「……知りたいなら、記録を追え」 ようやく絞り出された声は、火のはぜる音に紛れるほど小さかった。 「だが、残っているものを、そのまま信じるな」 沈黙は忘却ではない。 生き残った者が、生き延びるために抱え続けてきた重さだった。 2 #10 へ https://www.aipictors.com/posts/764871

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雪月花
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コメント

投稿
tare_koala

2026-06-23 16:44:07
返信
みやび

2026-06-23 13:19:24
返信

63投稿

-フォロワー

女騎士が好きです。ほぼ女騎士専用アカウント。
閲覧、いいね、コメント(スタンプ)ありがとうございます🛡

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