妹はこちらです!!
2026-06-25 15:54:39
対象年齢:全年齢
参加お題:姉妹
賢者の学院の中庭。
銀髪のハーフエルフで古代語魔法助教のシルビア、その隣には長身のダークエルフ美女アーゼリン。そして狐耳の少女ダキニラ。
三人が並んで立っていると、知らない者が見れば年の近い姉妹にも見えた。
実際、顔立ちのどこかに共通する面影もある。
もっとも、その関係を正しく言い当てられる者は学院でもそう多くなかった。
そこへ通りかかった教員がシルビアに声をかけた。
「おや、シルビア先生」
教員はアーゼリンを見て首を傾げる。
「そちら妹さんですか?」
シルビアの表情が固まった。
嫌な予感がする。
一方、当のアーゼリンは少し考え、
「うむ、そうか」
と頷いた。
「私の方が妹に見えるか」
低くよく通る声が静かに響く。
シルビアは思わず額を押さえた。
その時で、なぜか遠くを歩いていたシャーリーがこちらを見ていた。
「妹はこちらです!!」
いつの間にか現れたダキニラが、びしりとシルビアを指差した。
「なっ!?」
教員が固まる。
シルビアも固まる。
「ちょっ、何を言ってるの!」
「見た目ならこっちが妹じゃん♪」
うぷぷ、とダキニラが笑う。
「あなたが妹でしょ!!」
思わず叫ぶシルビア。
その瞬間だった。
「おおー、シスター・ダキニラ」
どこからともなくシャーリーが現れた。
「シスター・シャーリー」
「仲がよろしいですな~」
ふひひ、と胡散臭い笑みを浮かべる。
教員は混乱した。
「ええと……姉妹なんですか?」
「はい」
とシャーリー。
「違います」
とシルビア。
「宗教的には姉妹ですな」
「そうそう」
ダキニラも頷く。
「話をややこしくしないでください!」
シルビアが悲鳴を上げた。
するとアーゼリンが静かに口を開く。
「難しい話ではない」
全員の視線が集まる。
「私が母だ」
一瞬の沈黙。
「その子は私の娘で」
アーゼリンはダキニラを指差した。
「シルビアの妹だぞ」
教員は完全に思考停止した。
シャーリーは腹を抱えて笑い、
ダキニラは「うぷぷぷぷ」と肩を震わせ、
シルビアだけが深々とため息をつくのだった。
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