「AIピクターズ」AIイラスト・小説投稿サイト

リニューアル版の作品ページはこちら

ログインすると、いいねに応じたおすすめ表示や、画像生成機能が利用できます!

新規登録/ログイン

ブックマーク

七色のマント、静かな灰色 ―― 賢者の学院へようこそ

2026-07-10 17:48:45

NovelAI

2026-07-10 17:48:45

NovelAI

11

対象年齢:全年齢

参加お題:カラフル
賢者の学院、大円形図書館。 その日は、いつもより少しだけ華やかな空気に包まれていた。 理由は一人の来訪者。 「本日より、外部講師としてお世話になります」 白い神官服に身を包んだ少女が、丁寧に頭を下げる。 「至高神ファリアの教えを伝える者として、皆様のお役に立てれば幸いです」 アセリア。 若くして神の声を聞いた、至高神の巫女。 その姿に、集まった学院の助教たちはそれぞれの色のマントを揺らしながら迎え入れた。 赤。 紫。 青。 緑。 黄色。 そして灰色。 それぞれが異なる学科。 異なる専門。 異なる歩み。 けれど、同じ学院に集う仲間たち。 「ふひひ……これはこれは、随分と立派な巫女様ですな」 最初に声を掛けたのは、赤いマントの女性だった。 スカウト科助教、シャーリー。 長い黒髪を揺らし、どこか胡散臭い笑みを浮かべる。 「学院生活、きっと楽しいものになりますぞ」 アセリアが少し安心した、その直後。 「まあ、最初の数日は刺激が強すぎて逃げ出したくなるかもしれませんが」 「……シャーリーさん」 黄色いマントの少女がすぐに突っ込んだ。 狐耳と尻尾を持つ、幸運神の狐巫女。 ダキニラ。 「歓迎してる人の台詞じゃないよ、それ」 「ふひひ、しかし事実ですな」 「ウププ……まあ、否定できないけど」 ダキニラは楽しそうに笑う。 彼女もまた学院ではスカウト科の学生でありながら、商学科では外部講師を務める多才な巫女だった。 「でもまあ、安心していいよ」 ダキニラはアセリアに向かって笑う。 「変な人ばかりだけど、悪い人はいないから」 「……変な人という自覚はあるのですね」 「ふひひ」 シャーリーは満足そうに笑った。 「ふっ……」 次に声を掛けたのは、青いマントの女性。 銀髪のハーフエルフ。 リリス。 鋭い目元。 冷たい印象の美貌。 しかし、その口元にはわずかな笑みが浮かんでいた。 「よく来たな、ファリアの巫女」 アセリアは少しだけ身構える。 暗黒神ファラリアの神官。 普通なら、相容れない存在。 しかし。 リリスから感じるものは敵意ではなかった。 「……ここでは宗派争いをするほど暇ではない」 「学院の面倒事の方が多いからな」 そう言って、わずかに笑う。 その表情に、アセリアは少し驚いた。 「古代語魔法についてでしたら、いつでもお声掛けください」 紫のマントを纏った少女が静かに礼をする。 シルヴィア。 銀髪。 少し尖った耳。 可愛らしい顔立ち。 しかし、その姿には不思議な威厳があった。 古代語魔法助教。 和風に整えられた魔法使いの衣装。 その上に掛けられた紫金縁のマントが、彼女の立場を示している。 「……皆様、本当にすごい方ばかりですね」 アセリアは思わず呟いた。 「はいはい、難しい話は後ですよー!」 明るい声が響く。 緑のマント。 小柄な少女。 チェルキー。 「せっかくのお迎えなんですから、お茶にしましょう!」 150センチほどの小柄な身体で、大きな盆を軽々と運ぶ。 アセリアは思わず目を瞬く。 (……この方も助教様……) 見た目だけなら可憐な少女。 しかし、その立ち姿には妙な安心感があった。 そして。 少し離れた場所。 灰色のマントを纏った女性が、本を閉じた。 長い黒髪。 自然に流れる二つの三つ編み。 銀縁の眼鏡。 「……」 彼女は静かに微笑むだけだった。 賢者学部、研究員。 ラニア。 誰も彼女を軽視しているわけではない。 ただ。 彼女はいつもそこにいる。 本と知識の側に。 だからこそ、騒がれることも少なかった。 ◇ 歓迎会がしばらく続いた後。 アセリアは小さく息を吐いた。 「……少し、休まれますか?」 声を掛けたのはラニアだった。 「私がご案内しますね」 「ありがとうございます」 二人は静かな図書館の廊下へ出た。 ◇ 「皆様……」 アセリアは歩きながら苦笑する。 「すごい方ばかりですね 見知っている方々ではあるのですが…… それでも、あれほど力のある神官様や専門家の方々が集まると……少し気疲れしてしまいました」 ラニアは静かに頷いた。 「……皆様、力のある方々ですから」 少し間を置く。 「私は……」 灰色のマントが揺れる。 「本の整理をするくらいしか、役目がありませんので」 その言葉に。 アセリアは足を止めた。 「……え?」 思わずラニアを見る。 黒髪。 眼鏡。 穏やかな表情。 ただの研究員。 そう見える。 けれど。 神に仕える者として。 アセリアには感じ取れてしまった。 この静けさ。 この知識への向き合い方。 これは――。 「あなたは……」 アセリアが尋ねる。 「神官様、なのですか?」 ラニアは目を丸くする。 「え?・・・・・・」 「違いますよ?」 本当に不思議そうだった。 「私はただ、調べて、読んで、整理しているだけですから」 その瞬間。 大円形図書館の奥で。 一冊の古い本が、誰にも触れられず静かに開いた。 ページが光る。 古代文字が浮かび上がる。 ――知は普遍たる力である。 アセリアは息を呑む。 ラニアはただ、本を見つめる。 不思議そうに。 静かに。 色とりどりのマント。 異なる信仰。 異なる種族。 異なる専門。 それでも。 すべてを受け入れる場所。 それが、賢者の学院。 そして。 その中心には。 本人すら気付かないまま、知識を守り続ける賢者がいた。

ログインするとプロンプトなどがチェックできます

※ 作品によっては掲載されていないことがあります

新規登録/ログイン
さかいきしお
一覧をダイアログでみる

コメント

投稿
みやび

2026-07-10 18:07:20
返信

1184投稿

-フォロワー

前後の作品

提携広告

シリーズ

おすすめタグ

    新着作品